Casiopea - MINTJAMS (1982)
カシオペア史上7枚目のアルバム。中央会館でのライブ音源である。ライブの音源をCD化するなどして売り出すとなると、多少のピッチ修正などが施してあるものだが、本作は最低限とカットしか加えて居ないため、歓声や拍手なども聴きとることができる。
MINTJAMS という名前、最高のコンディションを意味するミントコンディションの " MINT " とジャムセッションの " JAMS " が融合した結果となっている、、のは有名な話だが、もうひとつここには遊び心が散りばめられている。なんと、メンバーのイニシャルのアナグラムなのである。
M ukaiya
I ssei
N oro
T etsuo
J inbo
A kira
M inoru
S akurai
このように、野呂一生(Gt.) 櫻井哲夫 (Ba.) 向谷実 (Key.) 神保彰 (dr) のイニシャルが綺麗に並べられている。ミントコンディションとジャムセッションの融合から生まれたネーミングから既にアッパレなのだが、メンバーの姓名に綺麗に適合する偶然性は最早運命と言っても過言ではない。当時のプロデューサーがこの案を持ってきたとかだったような気がするが、美術路線を走っている私からしてみれば美学に包まれているとしか言い様がない。更にはミントジャムスに倣ったジャケットである。パーマネントイエローに重なるように配されたハッカジャムの瓶。赤文字で書かれたタイトル、人間の目を引くように信号はあの配色になっているが、視覚的に引きつけるようなカラー配置が成されている。初めてジャケットを確認した時から唸るほどの美しさを感じていたが、これは見れば見る程に良い。現代波及してるCDなどは聴覚的な部分には大きく依存するが、レコードは視覚的にも良い効果をもたらすなぁと毎度のこと思う。その説得性を土着させているのは、このアルバムの存在ありきである。
Take me から始まるA面、代表曲とも言えるAsayake、Domino line、への繋がり、LIVEをもろにその場で聴いているような感動と疾走感が秀逸。特に、Swear後半の向谷実によるソロパートは聴いていて心地が良い。ライブのトリを担う定番曲だったそうだけれど、やっぱりトリに合う曲調。カッチリした神保彰のドラムに始まり、水紋の如く広がるユニゾンは彼らにしか編み出せなかった " ワザ " なのだと感じる。原点にして頂点、ナイス、カシオペア。
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